読んだ本

読んだ本の感想を書いていきます

14歳からの哲学 考えるための教科書

だんだんと涼しい日々が続き、夜なんかは肌寒いさを感じるようになってきましたね。

すっかり秋めいてきました。読書の秋ですよ。

誰が言い出したんですかね?でも、お風呂上がりとかに涼しい風を浴びながら本を読むのもなかなかオツなものですね。

 

さて、今回読んだ本はこちらです。

 

14歳からの哲学 考えるための教科書

14歳からの哲学 考えるための教科書

  • 作者:池田 晶子
  • 発売日: 2003/03/20
  • メディア: 単行本
 

 

「哲学」と聞くとなんだか小難しいような意味がわかんないような…

なんてイメージがある方もいらっしゃると思いますが、タイトル『14歳からの〜』とあるように中学生ぐらいの子に語りかけるような文体で、読みやすくなっていると思います。

かと言って内容も簡単かというと、全然そんなことありません。脳がひねりつぶれるかと思いました。

 

そもそも、「哲学」とはどういう学問なのか?

 

 世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシャでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。認識論・論理学・存在論倫理学・美学などの領域を含む。

デジタル大辞泉より引用

 

だそうです。「人生とはなんぞや?」について考えるみたいなことでしょうか。

 

本書でも、まずは「考える」ということがどういうことなのか、「死」とはどういうことなのかといったことについて書かれています。そして、「存在」とは、「人生」とは、などについてどのように考えるのか、へと展開していきます。

 

 

私は今まで哲学にほとんど触れてきませんでしたので、「ほぉ〜、これはそう思うけど、これは詭弁っぽくない?」というのが率直な感想です。

哲学自体がそういうものなのか、「考え」が及んでいないせいなのかはわかりませんが、当たり前と感じていることについて考える(≒疑問を持つ?)のは面白いことなんだなと感じました。

深く考えるということがあまり得意でないというか、これまでにそういったことをしてこなかった(はず)ので、「考える」ためのよいきっかけになったと思います。

 

私が良いなと思った部分の紹介を。

自尊心を持つ、ということと、プライドがあるということは間違いやすい。誰も自分が大事で、プライドがあると思っているけど、それなら他人に侮辱されても腹は立たないはずだよね。なぜなら、自分で自分の価値を知っているなら、他人の評価なんか気にならないはずだから。もしそうでないなら、自分の価値より他人の評価を価値としていることになる。するとそれは自尊心ではなくて、単なる虚栄心だということだ。

『14歳からの哲学 考えるための教科書』p120より

 

「飯がなくとも尊厳があれば人は耐えられる」なんてセリフが漫画『ドリフターズ』にあったかと思いますが、自尊心というのは人間らしく生きていくうえで特徴的なものではないでしょうか。

他人の評価に左右されるものではないんだ、自分がどう感じているのかが重要なんだ、という認識を改めて持っていたいですね。

 

 

 

 

時間というものは、本来、流れるものではないんだ。過去から未来へ流れるものではなくて、ただ「今」があるだけなんだ。だって、過去を嘆いたり未来を憂えたりしているのは、今の自分以外の何ものでもないじゃないか。

『14歳からの哲学 考えるための教科書』p180より

 

エッセンシャル思考でもたしか同じこと言ってますよね。

よく先のことを考えて不安になることがあり、そのたびに「いかんいかん、今やること、やりたいことに集中しよう」って言い聞かせてます。

そうやってついにミラーレス一眼カメラに手を出しました。ええ。

 

 

 

 

自分の頭で考えるというのは人間が生物の能力として優れている部分であり、私はそれをまだまだ使いこなせていないなぁと感じています。

情報が溢れている現代では、それらの取捨選択をすることはもちろん、それらをつなぎ合わせて新たな「知識」を生み出すことが求められるでしょう。

「考える」学問の哲学の面白さはそういったとこにあるのかもしれませんね。

14歳の自分が読んでいたらどうなっていたかなぁ…読ませたいなぁ…