悲しみよこんにちは
緊急事態宣言が各地で出されましたが、絶好の読書機会とポジティブにとらえていきます…。
そんな中読んだ本はこちら。
(※以下、ネタバレを含みます)
先日、映画『ジョゼと虎と魚たち』を見てきまして、えらくボロボロと涙を流してしまいました。
劇中に『一年ののちに』などサガンの作品の名前が登場し、気になったのですが、それらを買おうと思ったらなかなかのプレミアが…。
しょうがなしに(失礼)サガンの代表作であるこの本を読んでサガン作品の雰囲気を知ろうと思い立ったわけです。
読み終えての率直な感想は「生々し…」ですね。
サガンがこの作品を書いたのは18歳のころだそうで、主人公シリルも17歳の女性。
主人公の恋心、嫉妬、苦悩などがまだまだウブな男の子の私の胸はドキドキが止まりませんでした。
うとましく思えても、手を焼いてくれるのは愛があるからで、
「"好き"の反対は嫌いではなく"無関心"」とはよく言ったものです。
大切な人はそばにいて、失ってから気づくんだ。
めちゃめちゃベタですけどベタこそなんですよね。ベタを通らずして名作にあらず。
「考えること」が苦手なシリルはおそらく一時の感情で企てたことで後悔していましたが、人っていきあたりばったりでもいいと思うんですよね。
先のことはわからないし、その瞬間に与えられた情報のみで物事を判断しなければならない。ただ、感情はノイズになることの方が多い印象ですけど。
最後にはシリルも父も立ち直って(いるようにみえ)ましたし、元のような生活を取り戻すことができて幸せだと言ってましたし。ただ、その代償が無いなんてことは無いんだよ。と。
人生は選択の連続で、自らの選択に向かい合って受け入れていく日々なんですよね。きっと。
小説を読み慣れていないというのもあるのですが、情景描写と人物の心理描写を重ねて読み取るというのはまだまだ難しかったですね…
あとがきの解説を見てはは~んとなってもう一回読み返してみたくなりました(読み返してない)
それでも、十分に登場人物の心情は感じ取りやすいと思いますし、とても触れやすい作品だったなと感じました。