14歳からの哲学 考えるための教科書
だんだんと涼しい日々が続き、夜なんかは肌寒いさを感じるようになってきましたね。
すっかり秋めいてきました。読書の秋ですよ。
誰が言い出したんですかね?でも、お風呂上がりとかに涼しい風を浴びながら本を読むのもなかなかオツなものですね。
さて、今回読んだ本はこちらです。
「哲学」と聞くとなんだか小難しいような意味がわかんないような…
なんてイメージがある方もいらっしゃると思いますが、タイトル『14歳からの〜』とあるように中学生ぐらいの子に語りかけるような文体で、読みやすくなっていると思います。
かと言って内容も簡単かというと、全然そんなことありません。脳がひねりつぶれるかと思いました。
そもそも、「哲学」とはどういう学問なのか?
世界・人生などの根本原理を追求する学問。古代ギリシャでは学問一般として自然を含む多くの対象を包括していたが、のち諸学が分化・独立することによって、その対象領域が限定されていった。しかし、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は常に失われない。認識論・論理学・存在論・倫理学・美学などの領域を含む。
デジタル大辞泉より引用
だそうです。「人生とはなんぞや?」について考えるみたいなことでしょうか。
本書でも、まずは「考える」ということがどういうことなのか、「死」とはどういうことなのかといったことについて書かれています。そして、「存在」とは、「人生」とは、などについてどのように考えるのか、へと展開していきます。
私は今まで哲学にほとんど触れてきませんでしたので、「ほぉ〜、これはそう思うけど、これは詭弁っぽくない?」というのが率直な感想です。
哲学自体がそういうものなのか、「考え」が及んでいないせいなのかはわかりませんが、当たり前と感じていることについて考える(≒疑問を持つ?)のは面白いことなんだなと感じました。
深く考えるということがあまり得意でないというか、これまでにそういったことをしてこなかった(はず)ので、「考える」ためのよいきっかけになったと思います。
私が良いなと思った部分の紹介を。
自尊心を持つ、ということと、プライドがあるということは間違いやすい。誰も自分が大事で、プライドがあると思っているけど、それなら他人に侮辱されても腹は立たないはずだよね。なぜなら、自分で自分の価値を知っているなら、他人の評価なんか気にならないはずだから。もしそうでないなら、自分の価値より他人の評価を価値としていることになる。するとそれは自尊心ではなくて、単なる虚栄心だということだ。
『14歳からの哲学 考えるための教科書』p120より
「飯がなくとも尊厳があれば人は耐えられる」なんてセリフが漫画『ドリフターズ』にあったかと思いますが、自尊心というのは人間らしく生きていくうえで特徴的なものではないでしょうか。
他人の評価に左右されるものではないんだ、自分がどう感じているのかが重要なんだ、という認識を改めて持っていたいですね。
時間というものは、本来、流れるものではないんだ。過去から未来へ流れるものではなくて、ただ「今」があるだけなんだ。だって、過去を嘆いたり未来を憂えたりしているのは、今の自分以外の何ものでもないじゃないか。
『14歳からの哲学 考えるための教科書』p180より
エッセンシャル思考でもたしか同じこと言ってますよね。
よく先のことを考えて不安になることがあり、そのたびに「いかんいかん、今やること、やりたいことに集中しよう」って言い聞かせてます。
そうやってついにミラーレス一眼カメラに手を出しました。ええ。
自分の頭で考えるというのは人間が生物の能力として優れている部分であり、私はそれをまだまだ使いこなせていないなぁと感じています。
情報が溢れている現代では、それらの取捨選択をすることはもちろん、それらをつなぎ合わせて新たな「知識」を生み出すことが求められるでしょう。
「考える」学問の哲学の面白さはそういったとこにあるのかもしれませんね。
14歳の自分が読んでいたらどうなっていたかなぁ…読ませたいなぁ…
RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる
Kindleで漫画の1〜3巻を無料で読めるものがあると知り、漫画ばかり読んでました。漫画オモシロイ。
さて、今回の本は信頼できる情報筋のオススメに便乗して読んでみました。
めちゃくちゃ簡単に言えば、何かに専門化するよりも幅広い知識・技能を持ってたほうがいいんじゃない?というお話。
プライベートな事情で、私にとって今読むのがタイミング的にぴったりだった気がします。
タイガー・ウッズとロジャー・フェデラーの対比から始まり、専門特化することと幅広いジャンルに触れることのどちらのほうが有効であるのか?という問いが続いていきます。
"「意地悪な」世界"では幅広い思考が求められ、ある分野とある分野の接点にこそ新しい発見が見つけられると。
私の主観ですが、私の周囲にいる「優秀」だと感じる人物は水平思考が得意である気がします。
この本でも『枯れた技術の水平思考』の横井軍平氏のエピソードが登場しますが、様々な物事を抽象化してとらえることで、ある物事どうしが結びついて新たな物が生まれる。もしくは、ある物事を他の分野にも応用する。
私はこういったことが得意(そう)な人を「優秀」と感じがちで、私自身があまり得意でないと思っている部分なのでしょう。(ないものねだりってやつですかね)
抽象化するという能力が必要なのはもちろんですが、やはり抽象化するには多くの「具体」に触れる必要がありますよね。
最近は、興味を持ったものに積極的に取り組もうという意識があります。さらに、今まで自分がしてこなかったようなことにもあえてやってみるようにしているつもりの心持ちではあります。(できているとは言っていない)
そうやって地道に自分の幅(レンジ)を広げていけたらいいなぁ。
冒頭で書いたプライベートな事情とはまぁ転職のことなんですけど。いろいろ悩んだりもしたし、現在も引き続き悩んでるんですけど。終盤にある一言のアドバイスがなんだかすごく響きました。
こちらはぜひ書籍でお読みください。
ちょっくら筋トレで肩幅(レンジ)広げてきます。
すべてがFになる
間が空いてしまいましたが、2冊目はこちら。
"孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。"(amazon商品紹介より)
森博嗣さんのデビュー作でありながら、漫画化やアニメ化されているバケモンミステリー小説です。
私もアニメでうっすらと観てました。しかし途中まで。
なんとなくのストーリーや犯人が誰かというのはわかっている状態で読ませていただきました。
ネタバレ状態で作品を楽しむということはあまりしないんですが、そんな私でもどんどんと物語に引き込まれていきました。
内容についてはあまり多くは言わないようにしたいと思いますが、解決編とでも言うのでしょうか、物語の終盤は就寝予定時刻を大幅に過ぎてしまうほどのめりこんでしまいました。
このストーリーを考えつく森さんは何なんですか?バケモンですか?
また犀川先生の思考というか考え方もステキですね。
萌絵に対して「思い出と記憶ってどこが違うか知っている?」と尋ねた犀川先生の答えは、
「思い出は全部記憶してるけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」
くぅ~~~~~~~
ここ数年、新しく出来た友人たちとエモいことを多くやるように心がけています。
そういうこととか学生時代の部活で起きたこととかっていつまでも覚えているもんですよね。
そして、そういった「思い出」がとてつもない財産だって気づき始めました。
さらに、犀川先生の時間に対する捉え方を説明する、
Time is money なんて言葉があるが、それは時間を甘く見た言い方である。金よりも時間の方が何千倍も貴重だし、時間の価値は、つまり生命に限りなく等しいのである。
わかりみしかない。
時間を金で買ったりするし、時間を切り売りして金にしたりするけど、それは命があってできることで、それはつまり時間を与えられているからであって。何言ってるかわかんなくなっちゃった。
でもまぁ、上記の「思い出」にも通ずる話で、「思い出」も「時間」のかたちの一つであるはずで、金なんかより果てしなく大切なものですよねってお話です。
ストーリーの本筋からはだいぶ話がそれちゃいましたね。てへぺろってやつです。
なにはともあれ、作品の終わり方がとてもステキ。犯人のスマートさというか、いい意味で狡猾な感じがなんともたまりません。
私のミステリーとかサスペンスの出会いは『金田一少年の事件簿』だと記憶しているのですが、そこに登場する「高遠遙一」というライバル的存在がいまして。
最後はその高遠を彷彿とさせるような場面が描かれており、「はぁ~~ん」となってしまいましたね。(語彙力)
文章も読みやすくスイスイ読め、それでいて内容の濃さ、読後感、この作品を読んだことは私の「思い出」になるでしょうね。
読んだら忘れない読書術
みなさんはじめまして。
このブログでは私が読んだ本の感想等をひっそりと書いていくことにします。
記念すべき(?)最初の本はこちらです。
『読んだら忘れない読書術』 樺沢紫苑
何を隠そう、こういった形で読んだ本について記そうとしたのも、これを読んだことがきっかけです。
著者は精神科医の方。
読書することのメリットを提示しながら、脳科学的なアプローチも交え記憶に定着させるための読書の方法が書かれています。
"1年たって古くなるのが「情報」10年たっても古くならないのが「知識」です。"
ネットで得られるものを「情報」、本から得られるものを「知識」と例示。
「情報」を分析、整理、理解したものを「知識」だと位置づけています。
成長には「知識」が必要であり、本から「知識」を得ることが一番効率的と述べています。
私の専門分野もインターネットで多くの「情報」が転がっています。そして、その「情報」が一人歩きしてトンデモ理論的に拡がっていることもしばしば。
冷静に「知識」を得る、もしくは構築することを心がけていきたいですね。
「議論できる水準」にまで内容をきちんと理解するように「深く読む」読み方。
こうした本の深い部分までを理解する読み方に、私は「深読」という新しい言葉を使うことを提案したいと思います。
本書の肝はこの部分であると感じました。
この本は「深読」するための読書術が並べられているとも言い換えられるのではないでしょうか。
効率的に成長するため、「知識」をいかに効率よく自分のものにしていくか。
そういった本の読み方が提案されているのでしょう。
肝心の読書術はさまざまな方法が挙げられています。
まずは「脳内物質読書術」。
著者の別の書籍『脳を最適化すれば能力は2倍になる!』を以前読んだことがあるのですが、やはりこういった人体のしくみ的な分野には興味をそそられてしまいますね。
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンを分泌させながら物事をおこなうと記憶に定着しやすいそう。
たしかに、ワクワクドキドキして読んだ漫画はかなり詳細まで記憶に残っていることがありますよね。
感情を揺さぶられる本に出会うだけでなく、自らの心の持ちようでこういった部分をコントロールする(つもり)で読むことも重要なのですね。
さらに、このブログのきっかけとなった「アウトプット読書術」。
1週間に3回アウトプットすると記憶に定着しやすいという脳の性質を利用するのがこの読書術。
このように読んだ感想・レビュー等を発信することも一つのアウトプット方法と挙げられています。
その他にもマーカーを引く、人に勧めるなどのアウトプット方法が同様にあげられています。
勉強で言えば単語や解法をインプットし、テストで解答することでアウトプットするみたいなもんですよね。
学生時代は何気なくやっていたことですが、学校を離れると強制的にアウトプットする場がなくなるので、自ら意識的に行う必要があり、なかなかスタミナがいることだと思います。
仕事関連の知識であれば仕事の場でアウトプットすることが可能ですが、幅広い知識を定着させるためにもこういった場を設けて積極的にアウトプットしていきたいですね。
プットプットうるさいなこいつ。ブログもいつまで続けられるか見ものです。
このほかにもいくつかの読書術が挙げられています。できるかぎり多く実践していきたいです。
巻末には著者のオススメ本も掲載されているのでそちらも興味ある本は読んでいく所存であります。
ダラダラと長く内容のない文章になってしまいましたがこんな感じでいいんですかね。
とりあえずは継続することを目標にしていきます。「継続は力なり」。